平成25年度兵庫体育・スポーツ科学学会総会,及び第24回学会大会報告

 平成25年6月1日(土) 神戸女学院大学ジュリア・ダッドレー記念館にて、兵庫体育・スポーツ科学学会総会及び第24回学会大会が開催されました。

基調講演
 演題:「スポーツと人権 -オリンピック・ムーブメントの歴史と現状から考える」
 講師:來田享子先生
 中京大学スポーツ科学部教授 スポーツ教育学科学科長、日本スポーツとジェンダー学会理事長、NPO法人日本オリンピック・アカデミー理事

 オリンピックの歴史や近年のスポーツを取り巻く国際的動向の視点から講演をいただきました。オリンピックにおける差別との戦い、人種・宗教・性、などをオリンピック・ムーブメントとして論理的に展開してくださいました。特に、同質の条件を背景とした競技性および記録の追及に伴う、性別確認検査の実施、近年多様化傾向にある「オリンピックの価値」の中で扱われる女性が参加する競技種目の拡大、さらに渦中にある開催競技種目入れ替えの背景についての概説は大変興味をもって拝聴しました。これらを踏まえて、社会の変革や科学・歴史から価値観を模索したこと、オリンピック憲章の見直しから、国連ミレニアム目標値、YOG教育文化プログラム、IOC 教育文化会議などの概説をされました。結果、近年のIOCが促進するスポーツを通じた教育:オリンピックの価値(Olympic Values)が真の意味でのスポーツを通した教育の推進をしなければならない意味を説かれました。
 暴力肯定を廃絶するための重点課題として、目前の「勝利」以外の価値を目指すためのスポーツ指導の重要性やデュアル教育、コーチ教育などから、「勝利しか求めていない指導者には子どもを育てる資格がない」、スポーツの使命は「すばらしい人間教育」と話された言葉に感銘を受けました。
 スポーツ界における「人権」、体育・スポーツの指導における「暴力」の発生を理解し、より望ましいスポーツ文化の構築に寄与したいとの想いを深めることができました。

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 口頭発表は18件、体育・スポーツ分野における実践的取り組みの報告や、学部生も発表できるポスターセッションの部では4件の発表がありました。76名の参加者で、基調講演、一般発表の2会場とも議論が進んでいました。

 すばらしい学舎で学会開催させていただいたことに感謝いたしますとともに、学会会員各位のご協力にお礼申し上げます。

学会担当理事